FIRE基本「4%ルール」と日本での活用

4%ルールとは

以前の記事でも簡単に記載しましたが、アメリカでの研究結果に「4%ルール」というものがあります。ざっくり言えば、下記のとおりです。

  • 資産を株式等で運用しながら、資産の「4%」を取り崩す
  • 運用をしているので「4%」であれば資産を減らすことなく取り崩せる
  • シミュレーション上は30年後でも資産が残っているどころか、増えている確率が高い

ただし、研究自体がアメリカを対象にしてるので、実際に日本国内でこの運用ルールを使用するには、ちょっと「日本版」にカスタマイズが必要とのことで、FIRE系YouTuberの方々がいろいろと考察をして下さってます。※一番下に動画を貼り付けておくのでご興味のある方はぜひ。

日本で4%ルール利用の際の「懸念点」

  1. 日米の相対的な通貨価値の問題(インフレ率と為替リスク)
  2. 運用コスト
  3. 税金

日本で4%ルールと使ってサイドFIREを目指す場合、上記が懸念材料となります。
1つ1つ見ていきたいと思います。

日米の相対的な通貨価値の問題

これはアメリカのインフレ率は「約3%」、日本のインフレ率は「約1%」とうことで、2国間でインフレ率が違います。
また、ドル建てで米国のS&P500指数に連動したETFや投資信託で資産運用をする場合、「ドル⇒円」にしないと日本国内ではお金が使えません。「円転」する際、その時の為替によっては実際の通貨価値が変わってしまうよね、という懸念点です。

この2つの懸念点については、下記のように「ある程度相殺」されるという考え方です。

  • 日本のインフレ率が低くて、アメリカインフレ率が高い場合・・・
    ①日本の物価上昇は低いので、相対的に「円」の価値は高まる(日本でお金を使う場合
    ②長期で見ると、ドルの価値が下がる ⇒円高になる可能性
    ⇒結果、ドル建て資産を「円」に替えた時に日本では価値が低くなる

上記のように日本のインフレ率が低くて一見「有利」に見えますが、為替の観点で長期的にみると「円高」が進み、円の価値が低くなる・・・という2つの作用が起こります。

この2つの作用が「ちょうど相殺」になるかどうかは全く分かりませんが、「ある程度相殺するんじゃない?」という考え方です。

運用コスト

あとは投資信託やETFの「運用コスト」です。

  • 投資信託 代表:「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」【実質コスト:年率0.14%】
  • ETF 代表:「バンガード・S&P500ETF VOO」【実質コスト:年率0.59%】
    ※ETFの実質コストは配当金を再投資した場合

4%ルールという場合、配当金(分配金)は受け取らずに再投資に回すのが一般的と思いますので、分配金なしの「再投資型」である投資信託の活用が多いと思います。

投資信託であれば、上記のとおり年間での実質コストは「0.14%」程度となります。

税金

積立投資額の「取り崩し」に対する税金のかかり方、はちょっとだけ面倒です・・・。
簡単に言えば「儲けた分だけ税金がかかる」状態です。

計算方法でいうとこんな感じ。
①運用益の割合を求める:現状の評価額に対する「運用益の割合」を出す
②課税対象の金額を求める:取り崩す額に「運用益の割合」をかける
③取り崩し時の税金を求める:課税対象の金額に日本の税率「20.315%(日本の税率)」をかける

例:3000万投資して、運用益「1000万円」、現在の評価額が「4000万円」
「年間160万円」取り崩す場合・・・
①運用益の割合:1000万円÷4000万円 =0.25
②課税対象の金額:取り崩し額 160万円×0.25 =40万円
③取り崩し時の税金:課税対象金額 40万円×20.315% =8万1260円

上記でわかる通り「どれだけ運用益があるか」によって税金が全く異なります。またNISAのように「非課税」にできる仕組みを活用しているかどうかでも変わってきます。ですので、税金の算出は各自の状況次第、ということになります。

実際どれくらい取り崩せばよいのか?

これらの懸念点を踏まえて、では実際に4%ではなく日本では「何%」取り崩せばいいのだろう?というところですが、「だいたい3~3.5%くらい」で良いのではないかと思ってます。

  • そもそも4%ルールでも「3.5%」であれば成功率はかなり高まる結果が出ている
  • 為替リスクがインフレ率で相殺できない可能性もあるので4%はちょっと怖い
  • 運用コストも0.14%かかってる
  • そもそも「3%以下」の取り崩しでは、FIRE成立にかなり大きな資産が必要で全く夢がない 笑

これらの理由(最後のは半分冗談ですが)で最終的には希望的観測を含めて「3~3.5%くらい」と思ってます。私自身は「3.5%」の取り崩しで行くつもりです。

また「取り崩し」は「3.5%」だとしても、「実際に生活費等に充てられる金額」は、この「3.5%取り崩し金額」に税金の算出をして差し引く必要があります。
投資の運用がものすごく上手く行って「資産評価額」のうち「運用益」の割合が多ければ多いほど、税金の額も大きくなりますので注意が必要です。

資産枯渇リスクを避ける方法

FIREやサイドFIREで一番怖いのが「途中で資産が枯渇すること」です。
このリスクを避けるのはシンプルに「運用益が出てなければ取り崩しをしない」ことです。これを徹底すれば、長期で見れば市場株価が右肩上がりになる前提であれば、資産が枯渇することはありません。

ただ「言うは易し」で実際に4%(もしくは3.5%)ルールで生活をし始めて、そのお金を当てにした生活基盤となってしまえば「今年は運用益が出てないから取り崩しはやめよう」というのもなかなか厳しいものがあると思います(そもそも取り崩ししないで生活費をすべて稼いだらFIREではないですし)。

そこで我が家では、運用益が出ていない場合、まずは「取り崩ししない」で生活できそうなら取り崩さない。どうしても取り崩さないといけない場合は、下記のルールで行こうかと思ってます。

  1. 運用益がある程度出ている時・・・当初の資産額の「3.5%」つまり「定額」で取り崩し
  2. 運用益が出ていない時・・・その時点の資産額の「3.5%」つまり「定率」で取り崩し

1.の場合、増えた資産に対して「定率」3.5%で取り崩すと当初の予定より「多めに」取り崩すことになってしまいます。それを避けるための「定額制」です。
2.の場合、減っている資産に対して「定率」3.5%なので、当初の目論見よりは取り崩し額は減ってしまいますが、そこは節約や別途稼ぎを増やすなどして補う想定です。

サイドFIREであれば、そもそも働いてはいるので上記2.の場合に稼ぎを少し増やして足りない分を補うことは、がんばればできそうです(資産の減り具合によりますが・・・)。
この取り崩しルールを用いれば、かなりの確率で「サイドFIRE中の資産の枯渇」だけは避けられるのではないかと思います。

まとめ

4%ルールを日本で実施するときにある程度「懸念点」はあるものの、考え方自体は日本でも通用すると思ってます。ただ、いろいろな不安要素から「4%」ではなく「3~3.5%」(あとは個人の状況で調整)の範囲内での取り崩しが良いのでは?と思っております。

さらに「運用益が出ていない時の取り崩し方の工夫」を行うことによって、サイドFIREの成功率を高めていけたらと思っております。
何はともあれ「不測の事態にはすぐにガッツリ働ける気力・体力」を維持することが、最終的には一番大切ですね。サイドFIREを目指す方々は日々の健康増進、一緒にがんばりましょう。

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※参考 【有料級】日本版4%ルール!知らずに失敗続出?簡単シミュレーション付き【FIRE/セミリタイア/4パーセントルール】

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